音楽の楽しみ方
僕はよく音楽を聴いている。
好きなジャンルとかは特になく、ただ良いなぁと思う音楽を何度も繰り返し聴いている。
「音楽が趣味」
と言うと、
「どんな曲を聴いてるの?」
と聞かれる。
特に決まってない僕はその質問には答えを濁して返している。
この時僕は本当に音楽が趣味なのか、一瞬自分でわからなくなる。
ただ、自信を持って言えるのは自分なりの「音楽の聴き方」を確立していることだ。
よく音楽の良し悪しを歌詞で判断するか、メロディで判断するかという質問がなされている。
カッコつけてるように思われるかもしれないが、僕はメロディだけでも歌詞だけでも音楽は聴かない。
総合的に「作品」としての芸術を楽しみたいのである。
もともと音楽には基本の3要素がある。「メロディ」「リズム」「ハーモニー」の3つだ。
これが最低限存在しない限り、音楽としては歪みが生まれてしまうと思っている。
(日本人はメロディとハーモニーをよく気にするが、リズムは何故か考えられないことが多い気がする)
そして、その出来上がった音に「歌詞」という文学的な要素が組み合わさって現在流行っている多くの楽曲が作り出されている。
ここからはこれらの下地がどうやって着色されていくのかを楽しんでいく。
まず、「音色」である。
使われている楽器、その使い所や音色の変化、歌ならば歌声などがあるが、それらの調和、バランスや指向性にその作品を手がけた方のセンスを感じることができる。ギターの「キュッ」というノイズや歌手の小さなブレスも面白い。
音源を打ち込みにするのか生演奏にするのか
その変化の使い方を考えるのも面白い。
次に「構成」である。
これはコード理論にも近いものがあるかもしれないが、楽曲を自然にかつ大きく見せるために流れの中で展開していくのを聴くのが面白い。
初めて聴いた曲で後半から急に裏切られたような感覚に陥ると、どうしてそうしたのかを考えるために何度も聴いてしまう。
最後に「文化的な価値」を考えるのである。
「このリズムは〇年代のどこの国でポピュラーだった音楽をリスペクトしてるんだ」とか、「この作品で日本人の頭の中に新しい感覚をもたらしてるんだ」などなど、
これから流行る音楽や、これまでの音楽とのつながりを妄想して楽しんでいる。
今の所の音楽の聴き方はこんな感じだ。
今後もこれらの聴き方が失くなることはないと思う。
だが最近、音楽に対する視点はまだまだこれだけではないんじゃないかと思い始めた。
特に「アニメ文化」や、「アイドル文化」など、他の文化によって売れる音楽が変わっている事実を見ると、まだまだ楽しみ切れていないなと思うところがある。
音楽という途轍もなく大きな存在に対して、もっと多角的なアプローチをとっていければ、より人生は楽しくなるのではないだろうか。
もしかしたらこれは音楽に限らず、人間が生み出した学問や芸術など、すべてのものに対して言えるのかもしれない。