星野源「Cube」に触れる。

星野源が新曲「Cube」を配信リリースした。

映画の主題歌となっているこの曲は破壊的なビート、サウンドで前衛的な音楽だと感じる。


アルバム「Pop Virus」以降どっぷりファンになった私だけれど、「Cube」を私の中で認めるかどうか、非常に悩んでいる。


そもそものテーマが確かに「理不尽・絶望・愚かさ・行き場のない憎しみ」である原作映画である為に仕方ないことであるのだが、非常に人が吐いた息を直接吸った時のような生(なま)の臭いがする。


もちろんそれを土台にした爆発的な感情、それに伴う力は存在しているのだが、

この曲を聴き続けると自らの黒い感情が育ち、それが力に変わるのではないかと恐れる。


「YELLOW DANCER」以降、彼の音楽には必ず光る楽しさが存在した。「生きる楽しさ・音が作る楽しさ」「地獄を楽しむ活力」だ。

これがあって私はようやくこの地獄の世の中に中指を立てながら笑い、人の声を知りたいと思えた。


果たして私はこの曲を吸い込んでも良いのだろうか。

もしくは数年後、この曲と同じような結論に行き着いて嘆き叫ぶことになるのだろうか。


それだけ心の力が詰め込まれた作品だ、と今は大皿の上の楽しみとして取っておきたい。