スポーツのファン

僕はF1(自動車レースの最高峰)のファンである。


F1には約20人のドライバーがいて、年間を通して最速の称号を目指し闘っている。

メーカーも己の技術力の高さを示すために日々試行錯誤し、0.001秒を削っている。


その戦いに勝利したただ1人のみ、チャンピオンの称号が与えられるのだ。


F1は昨今、ルイス・ハミルトンというドライバーが3年間(6年間で5回)、メルセデスAMGというメーカーが年間チャンピオンを6年間防衛し、あまりの圧勝劇継続に

「つまらなくなった」

と言われている。

何ならメルセデス(ハミルトン)が失敗して壁にぶつかったなら、観客が歓喜の歓声を上げることもあるくらいだ。


2018年、僕は人生で初めて生でF1観戦をしに三重県鈴鹿市にある鈴鹿サーキットを訪れた。鈴鹿市全体がお祭りで、特にサーキットには10万人以上の総来場者が居て、屋台やチームグッズなど、「モータースポーツの祭典」という言葉がピッタリの空気だった。


当時の僕は、ハミルトンではないある1人の選手のみの活躍を応援していた(つもりだった)が、

この日を境にあることに気付く。


レース前日の夜、ドライバー達が特設ステージでのインタビューイベントがあった。

数十メートル先に命をかけて最速を争う20人の天才ドライバーがいる。

その背中はどのチームのどのドライバーも圧倒的な力強さを感じ、気付けば全ドライバーの虜になって大声で応援していた。


そして最後に現れたハミルトンには、圧倒的なスター性や生き様やファンサービスなども相まって、完全に魅了されてしまった。

あの時、一番格好良かったのは間違いなくルイス・ハミルトンだった。


特定の選手を応援するファンではない。

僕はF1というスポーツが好きなんだという事に気付いた。


このスポーツで戦う全ての選手が最高の結果を残せるよう、1ファンとして応援し続けたい。


そう思うようになってから、F1の素晴らしさに心を預けられるようになった。


初めてスポーツに感動できた。