アンパンマンのマーチ

何のために生まれて

何をして生きるのか

わからないまま終わる

そんなのはいやだ


この詩を目にしてメロディが頭に浮かばないものはいないのではないだろうか。

これは有名な「アンパンマンのマーチ」の一節である。


アンパンマンと聞くと、幼い頃よく見た幼児向けのアニメという印象である。ジャムおじさんにバタコさん、チーズやバイキンマンなど、可愛らしく朗らかな物語である。


この物語の主題歌の「アンパンマンのマーチ」はアニメのオープニングテーマだ。


この曲は素晴らしい詩とともに生きている。今を生きる人全てに聴いて、感じて、そして考えてもらいたい内容だ。



まず、この曲の大きなテーマが

「生きる」ということについてだ。

一曲を通して「生」の在り方を説き続けることで、強い意識を持たせてくれる。


1番では、命の輝きは瞬間的に、そして永遠のものであるようなことを教えてくれる。

「今を生きる」。

「今」という言葉では表しきれない時間は私たちは何を教えられた訳でもなく感じ取り、「過去」という膨大なデータに変えていく。

生きる中であなたは「今」という時間にしか存在しない。いのちの中の「今」は永遠だ。

命の陽は燃え続けるのである。



2番では「心の生き方」について教えられる。

「幸せ」「喜び」「悲しみ」「恐怖」「愛」「勇気」「夢」「元気」

これら全ては僕たち人が持ち合わせている。このほとんどが数値化されておらず、概念的なものであるが、僕たちは間違いなくこれらの存在を理解し、感じている。


アンパンマンは「優しい心」が表現化された存在であり、その心は「愛と勇気だけが友達」だ。

自らの身体(心)を悲しみを持つ人に寄り添い、分けてあげる。

これはキリスト教の愛にも通じるものがある。

無償の愛、そして自己犠牲の愛を頭のあんぱんで表している。


ただし、アンパンマンは神ではない。今を生きる者の1人であるから、彼を「宗教的な崇拝や信仰をするべき」というのも違う。

この詩が歌うのは、「心」は愛と勇気を持ち続ける努力をする事で1番大切な「優しさ」を持つことができる、という事だ。



どんな生命にもいずれ終わりが来る。

限りがあるのならば、笑顔と共に生きよう。

大きな敵が立ち塞がろうとも、

「汝の敵を愛せよ」と

言わんばかりにそこに生きる喜びを感じよう。


これがアンパンマンのマーチである。


こうしてみると、アンパンマンというヒーローは今までのアニメのヒーローの外見的カッコ良さ、強さの固定観念をひっくり返した、「真髄のヒーロー」だということがわかった。