期待をしない

「あなたには期待してますよ」

「期待しておこうと思います」

「これは期待できますね」

 私達はよく「期待」という言葉を耳にするし、口にする。

 まるでそれは陽気なふりをして人間関係に降りかかるが、僕はこいつを全く良いようには思えない。


そもそも「期待」とは何か。

僕はこれを人の怠惰や傲慢さが生み出したおかしな幻想だと思っている。

期待をしている時、私達はよく何もせず待ち構える。しかしその相手はあくまで空想であり、理想ともほど遠い。

たしかにそれは少しは甘味を感じて人の元気になることはあるが、それ自体には直接的なエネルギーが存在しない。

捨ててしまった方が現実を生きる私達の身のためになる。


だが、現実は非情であることは言うまでもない。その中で何を持てばイイのだろうか?

それは「希望」である。

己の望みをそこに詰め込んで自分を動かす動力源にすればいい。

期を待っていてはいつまでも結果などやってこないのだ。


「期待」を捨てて「希望」を持つ。

何かが見えて一気に体が動き出すはずだ。